もし日本の会社で働く場合、ビジネスマナーを知っておくとスムーズに仕事を進めることができます。たいていは世界で通じる一般的な社会常識があれば大丈夫ですが、日本特有のマナーや考え方、習慣もあります。知っておくとトラブルを避けることもできますよ。
挨拶が大切な理由
挨拶をする機会は1日の中でもたくさんあります。日本の会社ではとくに、上司や目上の人に対して、礼儀を重んじる傾向があるので、はっきりとした声で敬意を持って挨拶をするとよいでしょう。
朝の挨拶は、上司や先輩に対しては「おはようございます」と言いますが、同期入社の同僚や後輩など、親しい仲間には「おはよう」とややカジュアルな表現になります。もし、仕事が大変だったときなど「昨日はお疲れさまでした」とねぎらうといいでしょう。
社外に出かけるときや会社に戻ってきたときも、上司や周囲に声をかけるようにします。出かける時は「行って参ります」、あるいは「○○工業さんへ出かけます」と行き先を伝えます。帰ってきたときは「行って参りました」、「ただいま帰りました」「遅くなりました」などと挨拶しましょう。
社内の廊下や階段で、上司と出会うときにも、軽く会釈をするなど挨拶をするといいですね。退社するとき、一般的には「お先に失礼します」と挨拶します。上司や先輩には「失礼いたします」、「お先に失礼させていただきます」と、より丁寧な表現を使います。
話しかけるときは気づかいを
仕事中の人に話しかけるときは、仕事がタイミングのよいところで中断するまで待ちます。少し近くで待っていると、相手も気づいてくれるでしょう。そのタイミングで「○○さん、今お聞きしてよろしいですか」などと、相手の名前を呼んで、相手の都合を聞いてから話し始めるようにします。そのような配慮がビジネスの場で大切にされています。
職場では「わたくし」を使う
職場で自分や相手の名を呼ぶとき、友達同士でいるときとはしっかりと区別します。自分の呼び方は、職場では男女とも、「私(わたくし)」または「私(わたし)」と言うのが基本です。私(わたし)は、最もオーソドックスな一人称です。私(わたくし)は丁寧ですが、少し固い言い方になります。
同僚同士なら「僕」や「わたし」を使ってもかまいません。周りがどのように使い分けているか聞いてみるのがいいでしょう。自己紹介をするときは「わたしの名前はヒエンです」、あるいは「わたくしはヒエンと申します」と丁寧な表現を使います。
同僚や仲間の名前を呼ぶとき、職場では「さん」をつけます。上司は「名前に役職名をつける」のが基本です。「高橋課長」「田中専務」といった呼び方です。会社によっては役職をつけず、すべての名前を「さん」で統一しています。この場合でも、取引先やお客様など第三者の前では、必ず役職名をつけて呼ぶようにしましょう。
職場でのコミュニケーション
日本の職場では公私の区別をつけることが重んじられています。「公」とは、職場や組織など多くの人と関わる場所です。こうした「公」の場で、上手に人と協力していくために日本で好ましいと思われる態度をいくつか紹介します。もちろん、会社のタイプや上司の世代(年齢)などで変化することもありますが、参考にしてみましょう。
ひとつは職場の人たちと「友好的な関係を持つ」ことです。挨拶をすること、協力的な態度を示すことで、友好的な人間関係を築いていくことです。素っ気ない態度を取ったり、嫌々仕事に取り組んだりするのではなく、前向きに肯定的な態度を示すようにしましょう。もし疑問点がある場合などは、しっかりと質問をしたり、話をしたりしてから仕事に臨みましょう。
もうひとつは、「上下の関係」を尊重することです。上司や目上(年齢が上)の人に対して、丁寧な言葉を使うようにします。仕事上の指導やアドバイスも、聞き流すのではなく、しっかり耳を傾けるようにするといいでしょう。そして、外出の要件や、仕事の進捗など、上司への報告はしっかりするといいでしょう。一緒に歩くときに、上司から2~3歩下がって歩く人もいます。
上司に叱られたときも、感情的にならずに「自分のことを思って言ってくれている」と思うようにしましょう。ただし、上司や目上の人が、高圧的だったり、人の尊厳を傷つけたりする言動を取る場合は、パワーハラスメントになりますので職場の人事部などがあれば相談しましょう。
職場の整理整頓も心がけましょう。すっきりと整った環境を整えることも大切です。使ったものは元の場所に戻しておくようにします。自分の机はいつも片づけておくようにしましょう。席を立つときに椅子をしっかりと机の中に入れるという気づかいも大切です。
公私の区別をつけることも大切です。職場で「仕事と関係ない話をだらだらしない」ことが大切になります。休憩中でも、あまり親しくない同僚などにプライベートなことをたくさん質問すると嫌がる人もいるので、最初は仕事の話などから話題を広げていくようにしましょう。
まとめ
日本の会社も国際化しており、ビジネスマナーは世界共通になってきています。ただ上下関係や、敬語の使い方など、日本ならではの習慣もあるので、もし知っておくと、仕事がやりやすいと感じるかもしれません。感謝の言葉「ありがとうございます」を伝えるのも大事です!