日本の大学や専門学校に入ると、課題としてレポートの提出が求められます。母国語で考えをまとめるのも、大変な作業ですが、さらに日本語で書くとなると、ハードルが高いように感じることも多いでしょう。レポートの書き方にはコツがあります。例えば構成を意識することや、一番言いたいことをどのような手順でアピールするかなどです。基本的な項目を理解しておくと、スムーズに書き進めることができます。
レポートの構成とは
まず、レポートとは何でしょうか。文字通り解釈すると、調査や研究の結果を報告としてまとめたものです。ただ、事実やデータを並べただけでは「あなたが書いている」という説得力を持つことができません。テーマについての知識や理解はもちろん必要ですが、あなたがどのような「見解」を持っているか、もし現状に問題点があれば「解決策」はあるか、などをしっかり書くことができれば、レポートの評価は高くなるでしょう。
たとえば「日本で外国人観光客がどうして増えているか」というテーマが与えられたとしましょう。少し調査をしながら自分なりに仮説を立ててみます。「外国人観光客が魅力を感じるのは日本の食文化だ」あるいは「日本政府の広報活動が成功している結果だ」というふうに。こうした自分なりの「結論」を証明するために、たくさんのデータを集めていきます。
序論
レポートの基本的な構成は「序論」と「本論」と「結論」に分かれます。序論で、まず問題提起をします。「日本で観光客が増えているが、その理由は食文化への興味だと思う」という見方を提示したとしましょう。観光客がどれだけ増えているのか、まず客観的な状況説明を入れます。それが序論になります。
本論
次に本論では、自分が立てた仮説に基づいて「外国人観光客が日本の食文化に興味を持っている理由」をあらわす様々なデータを紹介していきます。データとは客観的事実にもとづく内容です。どこの地域に人が増えているか、どんな飲食店が人気があるのか、食のブログはどれくらいあるのかなど。詳しく紹介していきます。
結論
「結論」では、自分が集めたデータをもとに「こういう理由で、日本人の食文化に興味を持つ外国人観光客がたくさん日本に来ている」というふうにまとめます。自分の考えや見解をしっかり示すことによって、レポートの中身がオリジナルの内容になり、さらにしっかりと言いたいことが伝わる文章になります。
例題:ベトナムの都市環境問題
もうひとつ例をあげてみます。「ベトナムの都市環境問題」についてレポート課題が出されたとしましょう。東京もそうですが、年の環境問題は様々な側面から、多様な現状を語ることができます。そこに、自分なりの「結論」を出していきます。
たとえば、「バイクの通勤ラッシュで排気ガスが増加している」ことを問題にしたいと考えたとしましょう。まずは「序論」で自分が考えた結論を問題提起として紹介します。モーターバイクでどれだけ通勤している人がいるか、一台のバイクでどれだけ排気ガスが出るか、などです。
そして「本論」で環境にどんな影響があるかなど、自分が問題に思っていることをデータを集めて掘り下げます。統計のグラフや写真を用いて、説明するのもいいでしょう。そして「結論」で「公共の交通機関を増やしたほうがいい」など自分なりの解決策を提示することもできます。
レポート書くときに注意すること
レポートを書くときに、データやほかの人の文献などを引用することも多いでしょう。自分の情報源はどこから得たのか、「〇年〇月〇日付の〇〇新聞によると」、あるいは参考文献のタイトルなど、引用するときは引用元を明記するようにしましょう。そのまま書き写してしまうと、「盗作」とみなされることがありますので注意しましょう。
まとめ
レポートを書くときは、事前にテーマについてある程度知識を深めておきましょう。そのうえで「自分はどのような角度でそのテーマを掘り下げたいのか」、あるいは「テーマについての問題や解決策」などをはっきりと示して、その理由を示すデータや事実を集めていくという方法で構成を考えると説得力のあるレポートを書くことができます。