外国人が日本の大学に進学・留学するための予備知識

日本に留学するにはどのような準備が必要なのかまとめました。

大学院に入学するには?

日本の大学院は、修士課程と博士課程の2つの課程があります。修士課程の入学条件は、大学を卒業した者又は同等以上の学力があると認められた者、又は外国において16年間の学校教育を修了している者です。また、日本で専修学校専門課程(専門学校)の4年制学科を卒業し「高度専門士」の称号を取得した者は大学院への入学資格が与えられます。

博士課程の入学条件は、修士の学位を有している者又は同等以上の学力があると認められた者、又は外国において修士の学位に相当する学位を有している者です。入学試験は日本で受ける必要があります(一部、書類選考だけの大学院もあります)。試験科目は日本語、英語(又はその他の外国語)、専門科目の筆記試験、小論文、専攻科目の口頭試問等です。

大学に入学するには?

大学に入学するには12年間の学校教育を修了していることが条件になります。12年間に満たない場合は、指定された準備教育課程若しくは研修施設の課程を修了している18歳以上の者、又は文部科学大臣が別途指定する外国における「11年以上の課程修了者」も高校卒業と同等以上とみなし、入学資格を認めています。

日本の大学はそれぞれの学校で入学試験を実施します。留学生のための入学試験を別途実施している大学もあります。また、入学選考を日本留学試験で代用する大学もあります。大学の修学年限は4年間(医学部等は6年間)で、卒業後「学士」の学位が与えられます

短期大学に入学するには?

入学条件は大学と同様に12年間の学校教育を修了している者です。12年間に満たない場合は指定された準備教育課程若しくは研修施設の課程を修了している18歳以上の者、又は文部科学大臣が別途指定する外国における「11年以上の課程修了者」も高校卒業と同等以上とみなし、入学資格を認めています。入学試験なども大学同様です。短期大学の修学年限は2年間(一部の学科は3年間)で、卒業後「短期大学士」の学位が与えられま
す。

専修学校専門課程(専門学校)に入学するには?

日本では一般に専門学校と呼ばれている学校です。修学年限は1年から4年で学科によって異なりますが、2年間の課程が最も多いです。通常、2年制、3年制コースを卒業した場合は「専門士」の称号が与えられます。4年制コースを卒業した場合は「高度専門士」の称号が与えられます。専門学校では職業や生活に必要な技術・知識の習得を目的としています。

分野は工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8分野があります。専門学校の入学条件は12年間の学校教育を修了している者。12年間に満たない場合は指定された準備教育課程若しくは研修施設の課程を修了している18歳以上の者、又は文部科学大臣が別途指定する外国における「11年以上の課程修了者」も高校卒業と同等以上とみなし、入学資格を認めています。専門学校の入学試験は書類選考のほか日本語試験、面接試験などが実施されます。また、専門学校入学の場合、上記以外に必要な日本語能力として下表の条件のいずれかに該当する必要があります。

1 日本語能力試験のN1又はN2に合格した者
2 日本留学試験の日本語が科目会計で200点以上取得した者
3 BJT ビジネス日本語かテストで400点以上取得した者
4 法務省告示の日本語教育機関で6か月以上日本語教育を受けた者
5 日本の小学校、中学校、高等学校において1年以上教育を受けた者

奨学金制度はありますか?

独立行政法人日本学生支援機構では、審査により学業、人物ともに優れ、留学報告書(体験談)の提出や経済的理由等の条件を満たす留学生に対して「留学生受入れ促進プログラム(文部科学省外国人留学生学習奨励費)」という奨学金制度を設けています。また、日本留学試験の受験者で、特に成績が優秀な者で、大学等から渡日前入学許可を受けた者に対して、この制度の給付の予約制度が行われております。

また、地方自治体や民間の団体で、留学生対象の奨学金制度を設けているところもあります。ただし、留学生全員に奨学金を支給する訳ではありません。したがって留学前にしっかりとした資金計画を立てることが必要です。

日本で就職はできますか?

卒業後は、日本で学んだ専門知識や技術を生かして、日本の企業に就職することも可能です。ただし、日本では、全ての職種で外国人の就労が認められているわけではありませんので、留学先での学習内容で就労可能な職務内容については、予め確認が必要です。

日本企業は留学生に「高度な日本語能力」や「日本の文化に対する適応力」「大学や専門学校で学んだ専門知識や技術」を求めています。日本で就職する場合、入国管理局で「留学」の在留資格から就労可能な在留資格に変更手続をしなければなりません。

また、卒業までに就職が決まらなかった場合でも、大学や大学院、専門学校(「専門士」・「高度専門士」の称号取得者)の卒業生は、「留学」から「特定活動」へ在留資格を変更することにより、卒業後最長1年間(6月+更新6月)は就職活動を継続することが出来ます。

その後継続して、就職活動を行っている既卒留学生は、地方公共団体が実施する就職支援事業への参加などを条件に、更に1年間(6月+更新6月)(卒業後2年目)まで滞在が認められます。

日本に留学するにはどのような条件がありますか?

高等教育機関に入学するためには、原則として満18歳以上で、母国等において12年間の学校教育を修了していなければなりません。12年間に満たない場合は、「準備教育課程」で学びその課程を修了する必要があります。また、大学院入学には大学卒業等が条件になります。 日本の高等教育機関は一部を除いて日本語による授業を行っています(一部英語があります)。

したがって、留学するためには日本語能力が必要になります。高等教育機関に入学するためには、まず日本語教育機関で日本語を学習(6か月から2年)してから進学することが一般的です。日本語能力を有する人は、日本語教育機関を経由せずに直接、高等教育機関に入学することも可能です。その際の日本語能力の基準は学校によって違いますので確認してください。

日本語の能力を測る試験として「日本語能力試験」があります。また大学等への入学選考試験の一つとして「日本留学試験」があります。さらに、ビジネス場面で必要とされる日本語力を測る「BJTビジネス日本語能力テスト」があります。

①日本語能力試験(JLPT)

外国人の日本語能力を認定するものとして、日本では公益財団法人日本国際教育支援協会、日本以外では独立行政法人国際交流基金によって「日本語能力試験」が行われています。日本各地及び日本以外の国・地域において7月と12月の2回実施しています。

②日本留学試験(EJU)

日本留学試験は日本の大学等への入学選考試験の一つとして、独立行政法人日本学生支援機構によって実施されています。この試験は渡日前の入学許可を想定しており、6月と11月の2回、日本各地及び日本以外の国・地域において実施されます。試験科目は、日本語、数学、理科(物理、化学、生物から2科目選択)、総合科目となっています。

③BJTビジネス日本語能力テスト

BJTビジネス日本語能力テストは、日本語を母語とせず、日本語を外国語あるいは第二言語として学習しているビジネス関係者を主な対象としています。様々なビジネス場面での「日本語によるコミュニケーション能力」を客観的に測定・評価するテストです。

公益財団法人日本漢字能力検定協会が主催しており、日本各地及び日本以外の国・地域においてCBT(Computer Based Testing)方式で随時実施されます。テストは、聴解問題・聴読解問題・読解問題で構成されています。

テスト結果は合否ではなく、0点から800点のスコアで採点され、J5~J1+の6段階のレベルで評価されます。 学歴以外の条件として、留学期間中の学費や生活に要する費用の十分な支払能力、奨学金その他の手段を有していることが必要になります。