日本の病院の診察の流れ・診療科名・利用方法

日本で病気やけがをした時には、病院に行って適切な治療を受けることができます。ここでは、日本の病院の診察の流れ・診療科名・利用方法をまとめています。病院によって少し違いはありますが、大まかな流れは基本的に同じです。日本の病院での治療の流れを把握しておけば、突然病気やけがをした時にも役立ちますよ。

医療機関に持って行くもの

病院などの医療機関で治療を受ける際には、必ず必要となるものがあります。それは下記のものです。

・保険証
・未分証明書(在留カードなど)
・お薬手帳や飲んでいる薬

まず保険証とは、日本の国民健康保険に加入しているともらえるカードのことです。健康保険は、日本にいる限り必ず加入しなければなりません。その代わり、加入していると医療機関での支払いが、実際の支払い額の3割だけになります。もちろん、保険証を忘れてしまうと全額負担になってしまいますので、必ず準備しておきましょう。

また在留カードなどの身分証明書も必要となる場合があります。いつ何があるか分からないので、保険証と一緒に常に持ち歩いておくと良いでしょう。さらに自分の血液型などの情報も一緒に持ち歩いておくと良いです。日本語が得意でなく、自分で上手く伝えられない場合や、緊急の際に役に立ちます。

そして、日本ではお薬手帳というものも必要になります。お薬手帳とは、これまであなたが医療機関でどのような薬を飲んできたか、また現在どんな薬を飲んでいるか、を示す手帳です。薬の中には、一緒に飲んではいけないものもあるので、適切な治療を受けるためにはお薬手帳が必須になります。

診察の流れ

次に、実際の診察の流れを紹介します。日本語が得意でない場合には、流れだけでも覚えておくと、病院に行ったときに役に立ちますよ。

1. 受付に健康保険証を出します。初めての診察であると伝えましょう。
2. 問診票に、どんな症状があるのか、これまでかかった病気や持病などの情報を書き込みます。
3. 待合室で待ちます。
4. 名前を呼ばれたら、診察室に入って診察を受けます。必要に応じて、検査や処置が行われます。
5. 診察が終わったら、待合室に戻って待ちます。
6. 名前を呼ばれたら、受付で健康保険証、診察券、薬の処方せんを受け取り、お金を払います。このとき渡される領収書は保管しておきましょう。
7. 薬が出る場合は、ここで薬を受け取るか、出された処方せんをもって薬局に行きます。
8. 薬局に行ったら、受付に処方せんを渡しましょう。
9. 病院と同じく、名前が呼ばれるまで待ちます。
10. 名前が呼ばれると、薬剤師から薬の説明を受けます。薬の特徴や飲み方など、注意しなければならないことを伝えられるので、しっかり聞きましょう。

日本の病院では、基本的に現金のみの支払いになります。病院に行く前には事前にある程度まとまったお金を用意しておきましょう。もしお金が足りない場合には、受付に相談してみてください。事情を説明して認めてもらえれば、数週間ですが支払いを待ってくれる場合があります。また薬局ではクレジットカードが使えることがほとんどです。病院との違いに注意しましょう。

診療科

日本の病院では、症状によってどの診療科に行けばいいかが決まっています。間違った診療科に行ってしまうと、適切な治療を受けることができません。大きな病院に行く場合には、病院内にそれぞれの診療科があるので、受付に相談すればいいのですが、地方の病院では一部の診療科しかないところもたくさんあります。

下に主な症状と、それに対応した診療科を記載してあります。それに合わせて、行く病院を選びましょう。

部位 症状 診療科
頭痛、めまい、しびれ 内科、脳神経外科
胸に痛み、動悸、息苦しい、高血圧 内科、循環器科、呼吸器内科
腹など 腹痛。胃痛、吐き気、嘔吐 内科、胃腸科、産婦人科
尿が出るとき痛い、血が混じる 泌尿器科
肛門が痛い、出血がある 外科、肛門科
目が痛い、見えにくい 眼科
耳。鼻。口 咳、耳の痛み、鼻水、めまい 内科、耳鼻咽喉科
歯の痛み、くちの炎症 外科、形成外科、皮膚科
手。足など 骨折、関節炎、腰痛 成形内科
全身 ケガ、切り傷、やけど、かゆい 外科、形成外科、皮膚科
物忘れ、ふるえ、けいれん 神経内科
妊娠、出産、不妊、不正出血 産婦人科
子供の病気 小児科
ゆううつ、不安 精神科

参考サイト
http://www.kifjp.org/medical/vietnamese/index.html

まとめ

これまで日本の病院の診察の流れや、具体的な症状とそれに合った診療科を紹介してきました。日本の医療はレベルが高く、病院の数もたくさんあるのですが、間違った診療科に行ってしまったり、健康保険証を忘れてしまったりすると、適切な治療を受けることができなくなってしまいます。病院に行くために必要なことを知って、病気やけがをした時に正しい対応ができるようにしましょう。