外国人が知っておくべき国民健康保険とは?意味・役割・使い方

外国人留学生の留学生活でもっとも不安なことの一つに「病気になったらどうしたらよいか?」という問題があります。もし健康保険に加入していないと、病気になった時に非常に高額の治療費を支払わなければなりません。

国民健康保険とは

日本には国民健康保険制度があり、日本に滞在する留学生は必ずこの保険に加入しなければなりません。国民全員(留学生も含め)に加入が義務付けられている保険制度です。また保険証は在留カードと同じく、身分を証明する大切な証明書にもなります。

この国民健康保険に加入することによって医療費(歯の治療を含む)の自己負担分の70%が免除されますので、病気や怪我で病院や診療所に行った場合、留学生自身の負担は治療費の30%となります。つまり1万円の治療費がかかった場合でも、3000円だけ請求されることになります。

保険料は、地域やその他の事情によって異なりますが、留学生の場合は、1ヵ月約1,200~1,400円前後です。国民健康保険証は自分自身を守る重要なものです。人に貸したり預けたりするのはダメです。

(ただし国民健康保険が適用されず、全額自己負担になる場合もあります。たとえば病院の個室などに入院した時の「差額ベッド料」、健康保険では認められない高価で特殊な治療薬を使った場合、美容整形や歯列矯正など病気とみなされない場合です。出産・人工妊娠中絶も全額自己負担となります。)

高額療養費の支給

同じ人が、同じ病院に支払う医療費の負担額が、一定額を超えた場合、申請すると超えた額だけ払い戻しされる高額療養費の支給制度があります。ただし通院した時の診療費、差額ベッド代は対象となりません。申請については、区・市役所の国民健康保険課に質問してみてください。

出産・死亡の時

加入者が出産すると、出産育児一時金として42万円が支給されます。妊娠4ヶ月(85日)以上であれば、流産・死産でも、医師の証明によって同じ金額が支給されます。加入者が死亡した時には、葬儀を行った人に、葬祭費5~7万円が支給されます。

国民健康保険に加入するには

居住地の区役所または市役所の国民健康保険課に加入の申し込みをします。来日から14日以内に国民健康保険の加入の手続きをしないといけません。申し込みには在留カードとパスポートが必要です。同居する家族がいる場合には、家族も一緒に加入することになります。健康保険証に家族の名前が書き込まれているかどうかを、よく確認して下さい。

もし、国民健康保険の加入の手続きが遅れた場合は、入国日からの分で保険料を支払う必要があります。在留カードをもって市役所にいきましょう。在留カードがあれば登録してくれます。

住居が変わった時は?

引っ越しで住所が変更になったら新しい住所の市区町村役所で申請し新しい保険証をもらいます。新住所の役所の窓口に、前の国民健康保険証を提出して新しい保険証を受け取って下さい。この手続きをしないと国民健康保険の適用を受けられません。

国民健康保険料を滞納すると、段階的に受けられる保障が制限される

国民健康保険は一人一人の医療費の負担を軽くするために、社会全体で支え合うシステムです。国民健康保険料を滞納すると、段階的に受けられる保障が制限されていきます。社会を支え合う義務を果たしていないのですから、公的な保障は受けられなくなってしまうのですね。

国民健康保険は、自分だけでなく家族も加入している保険です。保障が制限されると、治療や入院にかかる費用を支払うことができず、医療サービスが受けられない可能性もあります。

もし1回分でも滞納があれば、すぐにでも支払いを済ませるべきです。全額の支払いが難しい場合には、分割払いの相談も可能ですので、区役所・市役所に相談してみましょう。分割払いでも利子がかからないようにもできます。

国民健康保険を滞納すると、保険証は使用できなくなる

国民健康保険料を滞納すると、役場から督促状が届きます。それでも滞納を続けた場合には、更に催告が届いたり、電話での請求がきます。6か月以上滞納が続いた場合には、持っている保険証は使えなくなります。

このとき、代わりに短期被保険者証が発行されます。通常の保険証よりも有効期間の短い保険証で、3割負担で医療サービスは受けることができます。窓口に行って手続きをし、受け取ることができる保険証です。

未納金のうち、最初に納付期限がきたものから1年を経過すると、この短期非保険者証も使うことができなくなり、10割負担の被保険者資格証明書しか使用できなくなります。納付期限から1年6か月未納が続くと、差押により徴収されることになります。

給与、預貯金や、車など換価できる動産、さらに家まで差し押さえの対象になります。こうなる前に、支払い方法や減免について役場に相談するようにしましょう。保険料も、納付期限が過ぎると延滞金が発生します。未納が続くほど、負担も重くなります。早めの対応が大切です。